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インド旅日記その21:鉄片をこすり付ける蜂さされ民間療法

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2009年9月15日火曜日~17日木曜日:ニューデリー:蜂刺され民間療法
昨晩友人を見送ってから、旅が終わってしまったような気がしてあまり元気がでなかった。追い打ちをかけるように、原因不明の咳と水便、それに体のだるさが続き、このまま残り日程を宿でひたすら寝てようかとさえ思った。


それでも次にインドに来るのはいつになるかわからない。なんとか気合をいれて重い腰をあげる。 レッドフォートなど幾つかの世界遺産があるオールド・デリー市街は見ておきたいし、インドの伝統工芸である細密画のコレクションがインド国立博物館にあるらしいのでそれは行ってみたい。あと、ニューデリーにはGBロードと呼ばれるかなり大きな赤線地帯があるので、そこも外せない。



<<納得のいかない療法>>
よっしゃとひとり気合を入れて重い体にムチ打ちながらやっとの思いでホテルを出て道を歩いていると、お茶の葉を売る小さな古い店が目に入った。観光客の集まる大通りから少し離れているので、地元民相手に商売をしているのだろうか。中に入ろうか立ち止まって迷っているとチクッという感覚とともに左手薬指に鋭い痛みを感じた。


姿は見えなかったがどうやら蜂に刺されたらしい。指にジーンと痛みが走り、みるみるうちに腫れてくるのが判る。記憶をたどってみても、蜂に刺されたなんて子供の頃以来だから、『あれは子供時代、精神力が弱くて我慢できなかったから泣いてたんだ』と思っていたが、いやいやなんの、その痛いこと痛いこと。さすがに涙までは出なかったが、

『アァ、ウァッ!』

と心臓の鼓動がする度に小さく声が出るくらい疼いた。


minkanryouhou.jpg
インドの民間療法、信じるか信じないかはあなた次第です

するとそれに気付いた茶屋の親父が手招きする。恰幅が良く背の高い彼は頭にターバンを巻いていた。(予断だがインド人で日常的にターバンを巻くのは人口の0.5%しかいないシーク教徒だけで、肉食を厭わない彼らは全体的にガタイが良いことが多い) オヤジに招かれるまま中に入り、傷を見せて蜂に刺されたのだというと、彼は大丈夫だすぐに直してやるというようなことを言って、店の奥にいたおばさんを呼びつけた。

でっぷりと肥った人のよさそうなおばさんは腫れあがった私の指を見て(おお可哀想に)というジェスチャーをして店の奥から何か淡黄色の液体が入った瓶を取り出した。

メディスン・オイルだというその中には、カルダモンやクローブ、ジンジャーが浸かっていた。蓋を開けるとプーンとマスタードの匂いがする。正体はどうやら辛子油らしい。彼女はそのオイルを少し手にとって、私の刺された指に擦り込み、店で使っているのだろう錆の浮いた500グラムくらいの鉄製の分銅を持ってきた。何をするのかと思ったら、その分銅で思いっきり刺された場所にこすりつけてくるではないか。けっして撫でるのとかいうのではなく、加減ぬきに力いっぱい指にこすり付けてくるので、あまりの痛さにこんどこそ

『ギャアーーー、ウゲェェェーー』


と私は思いっきり悲鳴をあげた。
これは痛い、確実に蜂に刺された瞬間や直後よりも痛い。それより何より、蜂に刺された後に指をこんなにマッサージしてもいいものだろうか、しかも赤さびた分銅で、汚い手で・・・
もう止めてくれ、止めてくれと頼むが、おばちゃんは全然ひるむすきがない。それどころか、もうすぐだからもうすぐだからとニコニコしながら、それでもいっそう力を込めた手で指をこすってくる。

『ギャアーーー、ウゲェェェーー』


何度も叫んだが、一向にやむ気配はない。なんとおばちゃんは15分もの間その『地獄の分銅マッサージ』を続けてくれたのである。
すると・・・どうだろう、あれだけ痛かった指がだんだんと痛覚が麻痺して痛みが薄れてきた。私が声を上げなくなったのを見届けておばちゃんはようやく手を解放してくれた。おばちゃんも親父もどうだといわんばかりにニコニコと笑っている。

後でシーク教徒の親父に聞いたところ、彼女は砂漠地方ラジャスタンの出身だというが、果たしてこの赤錆分銅マッサージがその地方特有のものか、インド全土で広く行われているものかわからない。とにかく、痛みはひいた。ただ、単なる蜂刺されなら15分放置しておいたら普通に痛みは治まったのかもしれない。たったこれだけのことで朝から頭の中が謎だらけになったりするのである。

帰国後に同僚のインド人にこの治療法のことを聞いたら、ハチ刺されに鉄を力いっぱいこすりつけるのはインド全土で見られる治療法なのだそうだ。

テーマ : インド旅日記 - ジャンル : ブログ

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